日本中東学会

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ムハンマド・クリシャーン氏講演と交流の会「アラブ・イスラーム報道とアル・ジャズィーラ放送」報告

2002.5.22 更新

店田 廣文(早稲田大学人間科学部)

2002年3月8日(金)の午後に早稲田大学人間科学部アジア社会論研究室は、都内の早稲田大学総合学術情報センター会議場において、外務省の報道関係者招聘事業で来日したムハンマド・クリシャーン氏の講演と交流の会「アラブ・イスラーム報道とジャズィーラ放送」を開催した。
同氏は、世界中にその名を知られるようになったアル・ジャズィーラ衛星放送のプレゼンターとして、昨年9月11日以降の新番組「21世紀最初の戦争」の司会をつとめ、ウサーマ・ビン・ラーディンのビデオ放映にも関わったひとりである。
同放送は、アラブ世界で唯一の24時間ニュース専門の衛星放送局で、アラビア語によるニュース、討論番組、ドキュメンタリー等を世界各地に配信している。なお、クリシャーン氏は、最優秀チュニジア記者賞(1991年)、 インティファーダ6周年記念名誉賞(1992年)などを受賞している。

この講演と交流の会は、クリシャーン氏からの強い希望を入れて、3月4日から14日までの滞日期間中で、唯一の公開講演会として企画したものである。
2月下旬からの短い準備期間であったが、参加者は研究者、報道関係者、学部・大学院生、中東・アラブやイスラームに関心をもつ一般の人を含め、60名以上におよぶ盛会となった。
はじめに、同氏よりアル・ジャズィーラ衛星放送の設立(1996年)経緯や理念とその後の成果について講演がなされた後、聴衆との質疑応答をおこなった。
同氏は、同放送が多様な意見表明の場として機能していることや、アラビア湾岸地域における政治的活動の活性化や民主化の動きをもたらしたことを成果として強調し、同放送を通じて、アラブ世界とその他の世界が双方にとってより身近なものとなり、また同放送が「アラブ各国の政府には嫌われ、国民に好かれる」存在になったとも述べた。
その後活発な質疑が行われたが、その概要については、東京新聞の3月15日付け朝刊16面に「多様な意見伝えるのが使命」として掲載されているので、参照されたい。
今回の講演会で、アラブ世界における新しい「公共」放送の可能性を感じさせたアル・ジャズィーラ衛星放送が、東京支局開設を視野に入れて現在活動中であることを付言しておく。

最後になるが、会の開催にあたっては、日本中東学会や「イスラム地域研究」プロジェクトなどの広報網を利用させていただいた。記して御礼申し上げたい。