日本中東学会第20回公開講演会
「中東における『革命』の系譜:エジプトとイランの歴史をひもとく」
公開講演会の開催
日本中東学会第20回公開講演会を下記の通り開催いたします。
日時
2014年11月2日(日)
13:00~17:20(12:30開場)
会場
東京大学(本郷キャンパス)経済学研究科棟地下第1教室(5月の大会・総会時の告知から変更になっています)
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
日本中東学会は、日本における中東研究の最先端の成果を広く社会に還元すること、また、それを通じて中東と中東研究(そして中東学会)への関心を喚起することを目的として、年に一回の公開講演会を開催してきました。広く全国各地を廻りながら、それぞれの地域の個性と響き合うテーマ設定を行うことを意識してきたのは、会員の皆さまご案内の通りです。とはいえ、首都圏も「全国各地」の立派な一つです。今年は、久しぶりに東京での開催を企画しました。
20回目の開催となる今年の公開講演会のテーマは「中東における『革命』の系譜」です。一時は中東における市民社会の活力を示すものとして注目を浴び、盛んに報道もされた「アラブの春」も、いつの間にかほとんど話題にならなくなってしまいました。むしろ、「アラブの春」の「失敗」は、中東に対する突き放したような見方―やはり中東には自生的な政治変革や社会変革は期待できないという見方―を強めてしまった感さえあります。2009年にイランで沸き起こった「緑の運動」も、イスラーム体制の強権的な姿勢を印象づけたという意味で、やはり同じようなイメージの形成に繋がってしまっているのではないでしょうか。
このような状況を踏まえ、本公開講演会では、中東における下からの変革運動・抗議活動・抵抗運動の歴史をたどり、「『革命』の系譜」が同地域で見せてきた独自性や特徴を考えてみたいと思います。そのため、エジプトとイランという二つの地域大国を事例としてとりあげ、それぞれに関し2本ずつの講演を準備します。本講演会の目的は、「アラブの春」や「緑の運動」が成功であったか失敗であったかを、近視眼的に、かつ外からの見方にもとづいて問うことではありません。ここは一旦視野を広く持ち、中東の長い歴史に織り込まれた「『革命』の系譜」をたどってみましょう。「アラブの春」や「緑の運動」に対する私たちの視線も、そうすることでまた違ったものとなってくるのではないでしょうか。
(なお、今年のテーマは、特に首都圏の個性と響き合うものだと考えて選択したものではありません。あらかじめお断りいたします。)
プログラム
- 13:00~13:05 開会挨拶:栗田禎子(会長・千葉大学教授)
- 13:10~13:50
長谷部史彦(会員・慶應義塾大学教授)
「前近代エジプト都市における抵抗:その形態・作法・情理」 - 13:55~14:35
長沢栄治(会員・東京大学教授)
「近代エジプトにおける革命の系譜:2011年革命への道」 - 14:35~14:55 休憩
- 14:55~15:35
八尾師誠(会員・東京外国語大学教授)
「イラン近現代史の展開と二つの革命」 - 15:40~16:20
松永泰行(会員・東京外国語大学教授)
「革命の改革、革命への抵抗:イラン革命と経路依存」 - 16:20~16:30 休憩
- 16:30~17:20
総括コメント(飯塚正人[会員・東京外国語大学教授])、質疑・応答・討論
なお、プログラムの詳細については変更があり得ることをご了承ください。確定次第、学会ウェブサイトでお知らせします。
一般公開・無料
問い合わせ先
日本中東学会事務局
〒150-8938
東京都渋谷区広尾4-3-1
聖心女子大学 山口昭彦研究室内
Tel:03-3407-5685
E-mail:james@james1985.org